第141回大会 | 日時 | 2024年10月26日(土)・27日(日) |
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会場 | 京都産業大学 | |
内容 | 詳しくは141回大会の項をご覧ください。 |
日本労働法学会は、労働法の研究及び会員の相互協力の促進等を目的として、1950年10月に創設され、現在まで70年を越える歴史を積み重ねてきました。各大会で行われる報告や議論の内容は「日本労働法学会誌」に掲載され、研究成果を社会に発信する役割を担っています。また、2017年には、『講座労働法の再生』(全6巻)を編集・刊行し、今日の労働法学の理論水準を世に問いました。
当学会の研究対象である労働法の分野においては、社会経済状況の変化に伴い、法的対応が求められる様々な問題が生起してきました。そうした中で、たとえば時間外労働の上限規制や非正規労働者の均等・均衡待遇規制を強化した2018年の働き方改革関連法など新たな立法がなされ、また、労働紛争についての重要な判例も下され続けています。
さらに、2020年に発生した新型コロナウイルス禍は一応の収束を迎えつつありますが、そこで発生した雇用危機への対応には労働法が大きな役割を果たすとともに、多くの新たな課題が発生しました。他方で、それ以前から認識されてきた、少子高齢化などの労働市場の変化、産業構造や企業行動の変化、労働者の意識の変化などに加え、情報技術の高度化がもたらす「労働」社会への影響など、多くの課題が山積しており、労働法、さらには労働法の研究の重要性は一層大きくなっています。
もちろん、労働法の研究は、このように目前で解決を迫られている問題の検討にとどまるものではなく、それらの基礎にある根本的な理論課題の研究や、豊かな研究上の視点をもたらしうる比較法的研究・歴史研究を深めること、それらの研究を通して、労働法の将来、さらには雇用・労働社会の将来を展望することも重要です。こうした様々な研究課題について、会員が相互に自由で活発な議論を交わすことによって、それぞれの研究の深化や、新たな共同研究の機会へとつなげていくことは、学会の大きな意義であるといえます。
当学会における主な研究発表や議論の場としては、年1回の大会における大シンポジウム、ワークショップ、個別報告等が主なものです。報告者グループによる多角的かつ本格的な検討がなされる大シンポジウム、基礎理論的なテーマから実務と理論の架橋となるテーマまで、コンパクトなスタイルにより、問題提起も含めて自由闊達な議論がなされるワークショップ、新進気鋭の研究者を中心に個々の研究成果を世に問う個別報告など、会員の問題関心に応じたメニューが用意されています。これらに参加することで、会員が知的に「ワクワクする」経験を共有し、ひいては労働法研究の水準が一層高まっていくことが期待されます。
今後も、労働法学会が学会員にとっても社会にとっても有意義な存在であり続けるように、さらなる努力を行っていきたいと思います。